犬のしつけ方として「嫌いな音で驚かせる」という方法が紹介されることがあります。犬が問題行動をした時に、犬が嫌いな音で驚かせばやらないようになる、というのは本当でしょうか?この記事では、「音で驚かせる」方法が本当に効果的か、プロのドッグトレーナーが解説していきます。
犬のしつけで「嫌いな音で驚かせる」のはどんな場面?

缶やペットボトルの中に金属(コイン・ネジ、等)を入れた状態で強く振ると、大きな音(金属音)が出ます。
多くの犬は、急に大きな音が鳴ると驚きます。
特に金属音は、聴覚の優れた犬にとって耳障りに感じるとされています。
◉甘がみ
◉無駄吠え
◉いたずら(家具をかじる、ゴミ箱をあさる)
といった、悪いこと・やって欲しくないこと、をした時に上記のような嫌いな音を鳴らして驚かすことは、そのような行動を抑制するのに有効だと紹介されることがあります。
多くの犬は、急に大きな音が鳴ると驚きます。
特に金属音は、聴覚の優れた犬にとって耳障りに感じるとされています。
◉甘がみ
◉無駄吠え
◉いたずら(家具をかじる、ゴミ箱をあさる)
といった、悪いこと・やって欲しくないこと、をした時に上記のような嫌いな音を鳴らして驚かすことは、そのような行動を抑制するのに有効だと紹介されることがあります。
犬を嫌いな音で驚かせるしつけのメカニズム
嫌いな音で驚かせるしつけのメカニズムについて、甘噛み(人の手を噛む)を例に挙げると、以下の図式になります。
これを行動科学的にいうと
【嫌悪刺激の提示による行動の弱化】
となります。
ある行動(人の手を噛む)をした直後に、犬にとって嫌いな刺激(嫌いな音)を示すことで、
「人の手を噛むと嫌なこと(嫌いな音で驚く)がある」
という学習することが、人の手を噛まなくなる効果(行動の弱化)を生むことを期待するわけです。
人の手を噛む
(悪い行動)
↓
嫌いな音で驚かせる
↓
人の手を噛まないようになる
(悪い行動の抑制)
これを行動科学的にいうと
【嫌悪刺激の提示による行動の弱化】
となります。
ある行動(人の手を噛む)をした直後に、犬にとって嫌いな刺激(嫌いな音)を示すことで、
「人の手を噛むと嫌なこと(嫌いな音で驚く)がある」
という学習することが、人の手を噛まなくなる効果(行動の弱化)を生むことを期待するわけです。
「嫌いな音で驚かせる」しつけのメリットとデメリット
犬を嫌いな音で驚かせるしつけには、メリットとデメリットの両方があります
嫌いな音で驚かせるしつけのメリット…即効性が高い
嫌いな音で驚かせるしつけの特徴の一つに
《即効性》
があります。
音に驚いた犬は、噛んでいた手から口を離してくれます。
嫌悪刺激の提示(大きな音)の直後に行動が消去される(人の手を噛まなくなる)というのが、嫌悪刺激による行動の弱化の特徴です。
手を噛まれる痛みがすぐに無くなってくれるのは、飼い主としては大きなメリットです。
《即効性》
があります。
音に驚いた犬は、噛んでいた手から口を離してくれます。
嫌悪刺激の提示(大きな音)の直後に行動が消去される(人の手を噛まなくなる)というのが、嫌悪刺激による行動の弱化の特徴です。
手を噛まれる痛みがすぐに無くなってくれるのは、飼い主としては大きなメリットです。
嫌いな音で驚かせるしつけのデメリット…「慣れ」の問題
犬を嫌いな音で驚かせるしつけの注意点として
《慣れ》
があります。
音で驚かすことを何回も繰り返すことで、犬が音に慣れてきます。
音に慣れると、驚かなくなります。
そうなると、
◉音を鳴らしても甘噛みを止めない
◉一時的に止めてもすぐ再発する
と、効果を失ってしまいます。
人の場合も、
◎工事現場の作業音
◎居酒屋の隣の席の大声
等、はじめはイラっと感じる騒音にも、いつの間にか慣れていきます。
犬の場合も同じです。
はじめは驚いていた嫌いな音も、繰り返し経験することで驚きを感じなくなるか、驚きが小さくなります。
《慣れ》
があります。
音で驚かすことを何回も繰り返すことで、犬が音に慣れてきます。
音に慣れると、驚かなくなります。
そうなると、
◉音を鳴らしても甘噛みを止めない
◉一時的に止めてもすぐ再発する
と、効果を失ってしまいます。
人の場合も、
◎工事現場の作業音
◎居酒屋の隣の席の大声
等、はじめはイラっと感じる騒音にも、いつの間にか慣れていきます。
犬の場合も同じです。
はじめは驚いていた嫌いな音も、繰り返し経験することで驚きを感じなくなるか、驚きが小さくなります。
音に対する慣れを防ぐには
嫌いな音で驚かせるしつけのデメリットである《慣れ》への対策としては、以下のような方法があります。
音の種類(バリエーション)を増やす
犬を驚かせるために、いつも同じ音を立てていると、犬がすぐに慣れてしまう可能性が高くなります。
音に複数のバリエーションがあれば、慣れを予防することが期待できます。
◉缶に金属や小石を入れる
◉ペットボトルに金属や小石を入れる
◉金属の食器同士を打ち鳴らす
◉床や壁を物で叩く
といった複種類の音をローテーションで用いるのが効果的です。
音に複数のバリエーションがあれば、慣れを予防することが期待できます。
◉缶に金属や小石を入れる
◉ペットボトルに金属や小石を入れる
◉金属の食器同士を打ち鳴らす
◉床や壁を物で叩く
といった複種類の音をローテーションで用いるのが効果的です。
音を使う回数・場面を限定する
何でも嫌いな音で驚かせる方法で止めさせようとすると、使う頻度が多くなります。
頻度が多くなれば、慣れてしまう可能性も高くなります。
問題行動の全てに対して、嫌いな音で驚かせる方法で対応しようとすると、すぐに慣れて効果が無くなってしまいます。
問題行動に順位をつけて
「これだけはやらないで欲しい」
という行動に絞って使用することで、音に慣れる確率を低くする効果が期待できます。
一日に使う回数は少なければ少ないほど、効果も持続します。
せいぜい一日に2~3回程度に収めたいです。
しかし、音で驚かせるしつけをやり始めると、多くの飼い主がその方法を多用する傾向にあります。
結果、犬が音に慣れて効かなくなる、というケースが多いです。
頻度が多くなれば、慣れてしまう可能性も高くなります。
問題行動の全てに対して、嫌いな音で驚かせる方法で対応しようとすると、すぐに慣れて効果が無くなってしまいます。
問題行動に順位をつけて
「これだけはやらないで欲しい」
という行動に絞って使用することで、音に慣れる確率を低くする効果が期待できます。
一日に使う回数は少なければ少ないほど、効果も持続します。
せいぜい一日に2~3回程度に収めたいです。
しかし、音で驚かせるしつけをやり始めると、多くの飼い主がその方法を多用する傾向にあります。
結果、犬が音に慣れて効かなくなる、というケースが多いです。
なぜ飼い主は「嫌いな音で驚かせる」を多用してしまうのか
犬が甘噛みしてきた時に嫌いな音で驚かせる、というのを飼い主目線で示すと
という図式になります。
犬を嫌いな音で驚かすことによって、
《痛み》
という嫌悪刺激を即時に消すことが出来ます。
これは、行動科学的にいうと
【嫌悪刺激の消去による行動の強化】
になります。
『嫌なことが即時に無くなる』
という事象は、非常に魅力的な報酬として飼い主に作用します。
《痛みを即時に消去できる》
という報酬が欲しくて、甘噛みをはじめとした困った行動のしつけとして、嫌な音で驚かせる方法に頼ってしまいます。
結果として、
という図式が成立します。
『苦労を伴わない&即効性がある』
という方法を好むのは、犬のしつけに限った話ではありません。
☆ダイエット
☆語学習得
☆資格取得
☆投資
等について、
「苦労しない」
「すぐに効果が出る」
といったことを売り文句にした商品やツールが世の中に溢れかえっているのも、
《苦労せずに即時に成果をあげたい》
《楽をして報酬を得たい》
という、人(を含めた生き物全般)の根本的な習性に訴えることが効果的だからです。
犬に手を噛まれて痛い
(嫌悪刺激の発現)
↓
大きな音で驚かす
↓
噛まれることの痛みが消える
(嫌悪刺激の消去)
という図式になります。
犬を嫌いな音で驚かすことによって、
《痛み》
という嫌悪刺激を即時に消すことが出来ます。
これは、行動科学的にいうと
【嫌悪刺激の消去による行動の強化】
になります。
『嫌なことが即時に無くなる』
という事象は、非常に魅力的な報酬として飼い主に作用します。
《痛みを即時に消去できる》
という報酬が欲しくて、甘噛みをはじめとした困った行動のしつけとして、嫌な音で驚かせる方法に頼ってしまいます。
結果として、
実施する回数が多くなる
↓
犬が音に慣れる
↓
効果が無くなる
という図式が成立します。
『苦労を伴わない&即効性がある』
という方法を好むのは、犬のしつけに限った話ではありません。
☆ダイエット
☆語学習得
☆資格取得
☆投資
等について、
「苦労しない」
「すぐに効果が出る」
といったことを売り文句にした商品やツールが世の中に溢れかえっているのも、
《苦労せずに即時に成果をあげたい》
《楽をして報酬を得たい》
という、人(を含めた生き物全般)の根本的な習性に訴えることが効果的だからです。
「嫌いな音で驚かせるしつけ」だけに頼らない
犬が問題行動をした時に嫌いな音で驚かせる方法は、行動に直接的に働きかけるという意味では、対症療法といえます。
何かの症状を改善・予防・軽減しようとする際に大切なのは、対症療法のみに頼るのではなく、予防療法に取り組むことの方が大切です。
甘噛み・いたずら・無駄吠え、といった犬の問題行動の多くは、
◎運動不足
◎暇
◎コミュニケーション不足
◎遊び不足
といったストレスを犬なりの方法で解消している、と説明できます。
逆に言えば、これらのストレスが溜まらないような生活を送ることが、問題行動の予防や軽減に効果的です。
☆散歩時間を増やす
☆遊び方を工夫する
☆新しいコマンドを教えてあげる
といったことに習慣的に取り組むことが、ほとんどの問題行動に対する予防療法となります。
問題行動を改善したいのであれば、『嫌いな音で驚かせる』という対症療法のみに頼るのではなく、予防療法としての
【生活習慣の見直し・改善】
に注力するべきです。
何かの症状を改善・予防・軽減しようとする際に大切なのは、対症療法のみに頼るのではなく、予防療法に取り組むことの方が大切です。
甘噛み・いたずら・無駄吠え、といった犬の問題行動の多くは、
◎運動不足
◎暇
◎コミュニケーション不足
◎遊び不足
といったストレスを犬なりの方法で解消している、と説明できます。
逆に言えば、これらのストレスが溜まらないような生活を送ることが、問題行動の予防や軽減に効果的です。
☆散歩時間を増やす
☆遊び方を工夫する
☆新しいコマンドを教えてあげる
といったことに習慣的に取り組むことが、ほとんどの問題行動に対する予防療法となります。
問題行動を改善したいのであれば、『嫌いな音で驚かせる』という対症療法のみに頼るのではなく、予防療法としての
【生活習慣の見直し・改善】
に注力するべきです。
まとめ

犬を嫌いな音で驚かせるしつけは、問題行動をその場で一時的に抑制する効果はあります。
ただ、即効性が高いがゆえに多用した結果、犬が音に慣れて効果が無くなってしまう、というパターンがほとんどです。
嫌いな音で驚かせるしつけがNGなわけではありませんが、いわばそれは対症療法です。
対症療法だけに頼ってもしつけは成功しません。
運動時間を含めた犬の生活習慣を見直して、ストレスの軽減に継続的・習慣的に取り組むことが、問題行動の改善には効果的です。
音で驚かせる方法だけに頼って、生活習慣の改善に目を向けないことは、しつけとは言えません。
風邪をひきやすい人が、風邪をひく度に風邪薬を飲むだけでは、風邪をひきやすい体質はいつまでたっても変わりません。
風邪をひきにくい体質になりたかったら、
◎食事の栄養バランスを見直す
◎就寝起床の時間を規則正しくする
◎適度な運動習慣を身に着ける
といった生活習慣の改善に継続的に取り組むことが大切です。
同じように、すぐに成果が実感できる対症療法に頼るのではなく、継続的な予防療法に取り組むことが、犬のしつけの本質だといえます。
ただ、即効性が高いがゆえに多用した結果、犬が音に慣れて効果が無くなってしまう、というパターンがほとんどです。
嫌いな音で驚かせるしつけがNGなわけではありませんが、いわばそれは対症療法です。
対症療法だけに頼ってもしつけは成功しません。
運動時間を含めた犬の生活習慣を見直して、ストレスの軽減に継続的・習慣的に取り組むことが、問題行動の改善には効果的です。
音で驚かせる方法だけに頼って、生活習慣の改善に目を向けないことは、しつけとは言えません。
風邪をひきやすい人が、風邪をひく度に風邪薬を飲むだけでは、風邪をひきやすい体質はいつまでたっても変わりません。
風邪をひきにくい体質になりたかったら、
◎食事の栄養バランスを見直す
◎就寝起床の時間を規則正しくする
◎適度な運動習慣を身に着ける
といった生活習慣の改善に継続的に取り組むことが大切です。
同じように、すぐに成果が実感できる対症療法に頼るのではなく、継続的な予防療法に取り組むことが、犬のしつけの本質だといえます。
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