愛犬に人の食べ物を与えてはいけない、ということは、多くの飼い主さんが認識していることだと思います。しかし中には、「ちょっとだけなら…」と認識が甘い飼い主さんも見受けられます。そんな飼い主さんが陥りがちな勘違いや自己満足について、お話します。
「犬に人の食べ物は与えない」はどんなポリシーよりも重い

ドッグトレーナーとしての私の基本的なポリシーは
【愛犬と何をしたいかは飼い主さんが決める】
というものです。
◦愛犬とどのような生活するか
◦愛犬に何を覚えて欲しいのか
◦愛犬に何をやって欲しくないか
ということは、飼い主さん自身が決めることだと思っています。
なので、
「○○をさせてはいけません」
「○○が出来るようにならないとダメです」
という、強制的なことは飼い主さんには極力言わないようにしています。
そんなポリシーを破る、ほぼ唯一といっていいほど例外的な場面が
【愛犬に人の食べ物を与えようとするのを見た時】
です。
【愛犬と何をしたいかは飼い主さんが決める】
というものです。
◦愛犬とどのような生活するか
◦愛犬に何を覚えて欲しいのか
◦愛犬に何をやって欲しくないか
ということは、飼い主さん自身が決めることだと思っています。
なので、
「○○をさせてはいけません」
「○○が出来るようにならないとダメです」
という、強制的なことは飼い主さんには極力言わないようにしています。
そんなポリシーを破る、ほぼ唯一といっていいほど例外的な場面が
【愛犬に人の食べ物を与えようとするのを見た時】
です。
ドッグトレーナーが飼い主さんを本気で怒った時

ある日の飼い主さんとの会話風景。
トレーニングが終わった後に、テーブルを囲んでその日の内容の振り返りも兼ねて談笑していました。
ありがたいことに飼い主さんは、ケーキとお茶を出してくれました。
おいしく味わっていると、ケーキの臭いに引きつけられたのか、愛犬(ミニチュアダックスフンド)が足元に来て、物欲しそうに飼い主さんの顔を見上げていました。
すると飼い主さんは
「○○ちゃんもケーキが欲しいの?ちょっとだけだよ」
と優しく話しかけて、ケーキをひとかけら指先に乗せて、愛犬に差し出そうとしました。
その瞬間に私は、
「それは絶対にダメです」
と強く言いました。
飼い主さんは驚いた顔をして、愛犬に差し出そうとした手を止めました。
私は、
◦人の食べ物に含まれる脂肪・塩分・糖分は犬にとっては過剰である
◦食べ物をねだる癖がつく
◦肥満や慢性の内臓疾患になるリスクが高くなる
ということを説明したうえで
「《ちょっとだけなら良いだろう》の積み重ねが、確実に寿命を縮めることになる」
と、はっきりと伝えました。
後日になってその飼い主さんから
「あの時の先生の怖い顔は一生忘れない」
と言われました。
私としては冷静にお話したつもりだったのですが、自分でも気が付かないうちに、怒りや憤りが表情や口調に現れていたようです。
トレーニングが終わった後に、テーブルを囲んでその日の内容の振り返りも兼ねて談笑していました。
ありがたいことに飼い主さんは、ケーキとお茶を出してくれました。
おいしく味わっていると、ケーキの臭いに引きつけられたのか、愛犬(ミニチュアダックスフンド)が足元に来て、物欲しそうに飼い主さんの顔を見上げていました。
すると飼い主さんは
「○○ちゃんもケーキが欲しいの?ちょっとだけだよ」
と優しく話しかけて、ケーキをひとかけら指先に乗せて、愛犬に差し出そうとしました。
その瞬間に私は、
「それは絶対にダメです」
と強く言いました。
飼い主さんは驚いた顔をして、愛犬に差し出そうとした手を止めました。
私は、
◦人の食べ物に含まれる脂肪・塩分・糖分は犬にとっては過剰である
◦食べ物をねだる癖がつく
◦肥満や慢性の内臓疾患になるリスクが高くなる
ということを説明したうえで
「《ちょっとだけなら良いだろう》の積み重ねが、確実に寿命を縮めることになる」
と、はっきりと伝えました。
後日になってその飼い主さんから
「あの時の先生の怖い顔は一生忘れない」
と言われました。
私としては冷静にお話したつもりだったのですが、自分でも気が付かないうちに、怒りや憤りが表情や口調に現れていたようです。
自然の摂理・予見できないこと、が理由で愛犬が亡くなるのは仕方がない

ドッグトレーナーとして多くの飼い主さんや犬たちと関わるということは、愛犬が亡くなるという経験も多くなるということでもあります。
愛犬が亡くなる理由としては、
◦交通事故
◦病気
◦老衰
と様々です。
その多くが、予見できなかったり、突然のことだったり、自然の摂理だったりと、不可抗力のものです。
もちろん悲しいことですが、ある意味では仕方がないことともいえます。
愛犬が亡くなる理由としては、
◦交通事故
◦病気
◦老衰
と様々です。
その多くが、予見できなかったり、突然のことだったり、自然の摂理だったりと、不可抗力のものです。
もちろん悲しいことですが、ある意味では仕方がないことともいえます。
適切な運動・食事管理で確実に予防できることも

しかし中には、
「気をつけていれば、健康に長生きできたのに…」
と感じてしまうケースあります。
その代表格が、
◦運動不足
◦食べ物の過剰摂取
による肥満です。
これらは、飼い主さんによる
◦運動管理
◦食事管理
が不適切であることが原因です。
また、一朝一夕で引き起こされるものではなく、愛犬の幼少期からの生活習慣の積み重ねの結果でもあります。
飼い主さんの責任です。
逆に言えば、運動と食事の管理が適切であれば、予防できるということです。
(先天的・遺伝的疾患を除きます)
「気をつけていれば、健康に長生きできたのに…」
と感じてしまうケースあります。
その代表格が、
◦運動不足
◦食べ物の過剰摂取
による肥満です。
これらは、飼い主さんによる
◦運動管理
◦食事管理
が不適切であることが原因です。
また、一朝一夕で引き起こされるものではなく、愛犬の幼少期からの生活習慣の積み重ねの結果でもあります。
飼い主さんの責任です。
逆に言えば、運動と食事の管理が適切であれば、予防できるということです。
(先天的・遺伝的疾患を除きます)
飼い主さんが陥りやすい「愛犬に対する愛情・思いやり」のはき違え
私の経験上、愛犬に人の食べ物を与えてしまうような飼い主さんは、以下のような勘違いやはき違えに陥りやすい傾向にあるようです
「欲しがっているのにあげないのはかわいそう…」の「かわいそう」は、飼い主さん自身に向けられている

愛犬に人の食べ物をあげようとする飼い主さんにその理由を尋ねると、
「こんなに欲しがっているのに、あげないのはかわいそう」
という言葉(言い訳)が返ってくることが多いです。
この場合、
《かわいそう》
という言葉は、愛犬ではなく飼い主さん自身に向けられています。
「欲しがっている物をあげないと、この子に嫌われてしまうのではないか?」
「可愛い子に嫌われてしまう自分がかわいそう」
ということです。
「こんなに欲しがっているのに、あげないのはかわいそう」
という言葉(言い訳)が返ってくることが多いです。
この場合、
《かわいそう》
という言葉は、愛犬ではなく飼い主さん自身に向けられています。
「欲しがっている物をあげないと、この子に嫌われてしまうのではないか?」
「可愛い子に嫌われてしまう自分がかわいそう」
ということです。
「欲しがっている物を与える=愛情」という勘違い

「可愛いから」
「愛情を感じて欲しいから」
という言い訳が返ってくることもあります。
しかし、欲しがっている物を与えることが愛情の表現という考えは、間違いです。
愛犬に対する愛情表現というよりも、
《愛犬に欲しいものを与えている=自分は愛情にあふれる飼い主》
という自己満足に浸っているだけの行為です。
上述の「かわいそう」と同じように、この場合の愛情は愛犬ではなく飼い主さん自身に向けられています。
愛犬のことを思いやっているようで、実は自分自身を思いやっていることに、気づくべきです。
「愛情を感じて欲しいから」
という言い訳が返ってくることもあります。
しかし、欲しがっている物を与えることが愛情の表現という考えは、間違いです。
愛犬に対する愛情表現というよりも、
《愛犬に欲しいものを与えている=自分は愛情にあふれる飼い主》
という自己満足に浸っているだけの行為です。
上述の「かわいそう」と同じように、この場合の愛情は愛犬ではなく飼い主さん自身に向けられています。
愛犬のことを思いやっているようで、実は自分自身を思いやっていることに、気づくべきです。
飼い主さんの自己満足行動が「愛犬がおねだりする→食べ物をあげる→またおねだりする」の極悪サイクルを招く

愛犬が食べ物が欲しい時に飼い主さんに示す
◦足元でジッと見上げる
◦吠える
◦鼻をキュンキュン鳴らす
◦前足で飼い主の足を引っかく
といった行動を私は
《おねだり行動》
と呼んでいます。
飼い主さんが愛犬の《おねだり行動》に直面した時には、上述のような
「かわいそう…」(ストレス)
「愛情を示したい…」(欲求)
という感情が生じます。
そこで、愛犬に自分が食べている物をあげると、
「かわいそう…」
というストレスは軽減しますし、
「愛情を示したい…」
という欲求は満たされることになります。
図式で示すと以下のようになります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
① 愛犬が《おねだり行動》を示す
↓
② 飼い主さんの中でストレスや欲求が生起
↓
③ 愛犬に食べ物を与える
↓
④ ストレスの一時的な軽減・欲求の一時的な充足
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この図式を見ても、
【愛犬に人の食べ物を与える】
という行動は、愛犬のことを思いやってのものではなく、
▲ストレスの軽減
▲欲求を満たす
ということが目的の、飼い主さん自身のための行動(自己満足行動)だということが分かります。
そして、愛犬が再びおねだり行動を示した時には、
①~④
のサイクルを繰り返すことになります。
こうして、愛犬には
《人の食べている物をねだる》
という極悪習慣が根付き、確実に寿命を縮めることになります。
◦足元でジッと見上げる
◦吠える
◦鼻をキュンキュン鳴らす
◦前足で飼い主の足を引っかく
といった行動を私は
《おねだり行動》
と呼んでいます。
飼い主さんが愛犬の《おねだり行動》に直面した時には、上述のような
「かわいそう…」(ストレス)
「愛情を示したい…」(欲求)
という感情が生じます。
そこで、愛犬に自分が食べている物をあげると、
「かわいそう…」
というストレスは軽減しますし、
「愛情を示したい…」
という欲求は満たされることになります。
図式で示すと以下のようになります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
① 愛犬が《おねだり行動》を示す
↓
② 飼い主さんの中でストレスや欲求が生起
↓
③ 愛犬に食べ物を与える
↓
④ ストレスの一時的な軽減・欲求の一時的な充足
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この図式を見ても、
【愛犬に人の食べ物を与える】
という行動は、愛犬のことを思いやってのものではなく、
▲ストレスの軽減
▲欲求を満たす
ということが目的の、飼い主さん自身のための行動(自己満足行動)だということが分かります。
そして、愛犬が再びおねだり行動を示した時には、
①~④
のサイクルを繰り返すことになります。
こうして、愛犬には
《人の食べている物をねだる》
という極悪習慣が根付き、確実に寿命を縮めることになります。
まとめ

犬と人とでは、外見の身体のつくりだけでなく
◦内臓の働き
◦代謝の仕組み
◦必要な栄養素
◦不要な(害となる)成分
という目に見えない部分も含めて、大きく異なります。
いくら家族として一緒に暮らしていても、いくら深い愛情を感じているとしても、
【犬と人は根本的には違う動物】
という視点を持つことが大切です。
そのような客観的視点を持つことで
◦愛犬に有害な食べ物を与える
◦肥満や疾患を招く
◦寿命を縮める
ということを防ぐことにつながります。
人の食べ物を与えるということに限らず、一時の感情に流されずに先のことを考えて
【愛犬の心身の健康にとって良いことか、悪いことか】
という冷静な判断に基づいて、日々行動することが大切です。
今回の記事には辛辣な表現が多いので、読んでいて気分を害する方もいるかもしれません。
私がドッグトレーナーという立場で多くの飼い主さんや犬たちと接する中で、愛犬に人の食べ物をあげることの危険性の高さを実感していることの現れ、と思って頂ければ幸いです。
※関連記事
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◦内臓の働き
◦代謝の仕組み
◦必要な栄養素
◦不要な(害となる)成分
という目に見えない部分も含めて、大きく異なります。
いくら家族として一緒に暮らしていても、いくら深い愛情を感じているとしても、
【犬と人は根本的には違う動物】
という視点を持つことが大切です。
そのような客観的視点を持つことで
◦愛犬に有害な食べ物を与える
◦肥満や疾患を招く
◦寿命を縮める
ということを防ぐことにつながります。
人の食べ物を与えるということに限らず、一時の感情に流されずに先のことを考えて
【愛犬の心身の健康にとって良いことか、悪いことか】
という冷静な判断に基づいて、日々行動することが大切です。
今回の記事には辛辣な表現が多いので、読んでいて気分を害する方もいるかもしれません。
私がドッグトレーナーという立場で多くの飼い主さんや犬たちと接する中で、愛犬に人の食べ物をあげることの危険性の高さを実感していることの現れ、と思って頂ければ幸いです。
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